相続税と住宅ローンの関係

相続税は、相続または遺贈によって取得した「財産」にかかる国税です。
この時の「財産」とはどのようなものでしょうか、住宅ローンとの関係について解説します。

※相続とは、人の死によって一定の人が故人(被相続人)の財産についての一切の権利義務を承継することをいいます。ただし、被相続人の一身に専属したもの、例えば、年金受給権や国家資格などは含まれません。 ※遺贈とは、遺言によって財産の全部または、一部を無償で与える行為をいいます。

財産とは

1.本来の財産

「現金」「預貯金」「不動産」「金融商品」など金銭で評価できるものをいいます。
財産のうち不動産の割合が多いのが日本人の特徴といわれています。

2.みなし相続財産

「生命保険金」や「死亡退職金」など、被相続人の死亡によって得られる財産は、被相続人本人が受け取ることはできないが、被相続人の財産として相続税の算定に用いられます。

※「生命保険金」と「死亡退職金」は、500万円×法定相続人の数に相当する額が、非課税財産として、相続財産から控除されます。

3.負の財産

「住宅ローン」や「他人の借金の連帯保証」などの負債も財産の一部(義務)となります。つまり、これら(1)+(2)+(3)が財産の額となります。

※算定の結果がマイナスの場合でも、相続することに変わりはないのですが、相続があったことを知ってから3か月以内であれば、「放棄」や「限定承認」も可能です。(家庭裁判所の手続きが必要になります。)

相続税の計算方法

A.課税価格の把握

[本来の相続財産]+[みなし相続財産]-[非課税財産]+[その他]

B.基礎控除

[3000万円+600万円×法定相続人の数]
※基礎控除は平成27年1月1日に改正されました。

(A)-(B)の財産額に対して相続税の税率が付されます。

※基本的な考え方の紹介に留めています。 ※詳細は税務署もしくは税理士にお問い合わせください。

住宅ローンと団体信用生命保険

住宅ローンは借金であるため、「負債」として本来は引き継ぐことになりますが、住宅ローン契約の際に団体信用生命保険(団信)も同時に契約している人が大半です。
この場合は、被相続人が死亡時に、保険会社から金融機関に直接、団信の保険金が支払われる為、借金の残っていない「住宅(不動産)」が相続財産となります。

死亡保険金と住宅ローン債務の両方とも、相続税の計算から除外されることになります。

住宅ローンと民間の生命保険

フラット35利用者の中には、団信の代替として、民間の生命保険に入る方もいるでしょう。この場合も、上記「住宅ローンと団信の関係」と同様と思われるかも知れませんが、若干異なります。

団信は金融機関に直接支払われますが、生命保険は相続人に支払われます。
その為「住宅(不動産)という財産」と、「生命保険金というみなし相続財産」と、「住宅ローンという負債」が相続財産となります。

やはり生命保険金と住宅ローン債務の部分については、プラスマイナスゼロのように思われるかも知れませんが、「みなし相続財産」の生命保険金については、非課税枠(500万円×法定相続人の数)が使えるので、団信と比較するとこの分、相続財産が減る可能性があります。

中村 諭(なかむら さとし)
中村 諭
住宅ローンソムリエ(R)、ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)貸金業務取扱主任者、オールアバウトガイド

千葉県市川市生まれ、「税理士・FPなどの専門家も相談にくる」住宅ローン・アパートローン専門のFP事務所を経営。
新聞、雑誌、ラジオ出演、講演、執筆と幅広く活躍中。

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