借り換え時の金利の選択

住宅ローンの金利には大きく分けて、「変動金利」と「固定金利」があります。
住宅購入時、最初に住宅ローンを契約する際に、「変動金利」にすべきか、「固定金利」にすべきか迷われたことと思います。

最初のローンは「固定金利」が基本

毎月の返済額を低額に抑えることができる金利の低い「変動金利」は魅力的です。
しかしながら、現在のわが国では、低金利状態が続いている為、住宅ローンの「変動金利」を選んだ場合、将来金利が上昇した場合には、ローン返済額が増えてしまう「金利上昇リスク」があります。
住宅ローン契約は30年や35年ローンとなる人が多く、また、お子様の年齢も幼く、教育費負担がこれから始まる世帯が多いことからも、「固定金利」を選択することが基本です。

借り換え時は「変動金利」も考えるべき

住宅購入時と同様に、住宅ローンの借り換え時には再度、「変動金利」か「固定金利」の選択が迫られますが、この時の住宅ローンの選び方は、当初の住宅購入時とは思考を変える必要があります。
時が経過しているという事実から、住宅購入時と違う状況が生まれているからです。

特に、住宅ローン借り換え時に「住宅ローン返済期間が15年以下」や「ローン残債が住宅購入時の半分以下」という状況であれば、「変動金利」を積極的に考えてよい状況です。

返済期間が15年以下だと変動金利を選んでよい理由

次の条件で住宅ローンを組んだ場合の金利上昇リスクを毎月の返済額で見てみます。

【返済期間が長期の場合】

  • 期間:35年
  • 金額:3000万円
  • 金利:1.0%(変動金利)
金利 毎月の返済額 金利上昇リスク 返済額の増加率
1.00% 8万4685円 - -
2.00% 9万9378円 +1万4693円 17.35%
3.00% 11万5405円 +3万770円 36.33%

金利が1.0%上昇すると毎月の返済額がこのように変化します。

【返済期間が短期の場合】

  • 期間:15年
  • 金額:1400万円(※)
  • 金利:1.0%(変動金利)
金利 毎月の返済額 金利上昇リスク 返済額の増加率
1.00% 8万3789円 - -
2.00% 9万91円 +6302円 7.52%
3.00% 9万6681円 +1万2892円 15.39%

金利が1.0%上昇すると毎月の返済額がこのように変化します。

長期の住宅ローンを組んでも、返済が進むと当然、残り期間も残りの金額も減っています。
このように、「返済額」が少なくなり、「返済期間」が短くなっていると、金利上昇が家計に与えるリスクも小さくなるため、変動金利の住宅ローンを積極的に選択して良いこととなります。

繰上げ返済をして、住宅ローン残高が契約当初の半分程度になっている場合も、同様に考えることができます。

※返済期間が15年なら良くて、16年ならダメという事ではありません。
返済期間が短くなっている場合には、変動金利でも金利上昇リスクが家計に与える影響はさほど大きくない事をお伝えする内容です。15年という年数は目安とお考えください。

※3000万円、35年、金利1.0%で返済を継続した場合の20年後の残高は1414万9840円となることから、1400万円を用いた。

中村 諭(なかむら さとし)
中村 諭
住宅ローンソムリエ(R)、ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)貸金業務取扱主任者、オールアバウトガイド

千葉県市川市生まれ、「税理士・FPなどの専門家も相談にくる」住宅ローン・アパートローン専門のFP事務所を経営。
新聞、雑誌、ラジオ出演、講演、執筆と幅広く活躍中。

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