本厚木駅周辺の住みやすさ・評判情報

1954年の創業以来、本厚木で長く愛されてきたお菓子の老舗。店内にはガラスケースに入ったあられやビスケット、チョコレートなど色々なお菓子がずらりと並び、思わずワクワクしてしまう。袋入りのお菓子や食品も含めると、品ぞろえは約500種類。全国各地にある、おじいちゃんとおばあちゃんが昔ながらの手仕事で作っているような真面目な工場から仕入れているという。「お菓子は嗜好品だから、おいしいと感じてもらうことが何よりも大切。いい原料を使わないと、おいしくはできないんだよ」とご主人。例えば、千石屋の落花生は希少な国産の豆を使っているので、スーパーのものよりも少し高めに感じるかもしれないが、おいしさだってずっと上回っている。

茶室のにじり口を思わせる重厚な金属の扉を引くと、その先はバーのように薄暗く、香ばしい珈琲の香りが立ち込める。いかにも玄人好みの佇まいに少したじろいでしまいそうだが、茶室のエッセンスを活かした静謐な空間はすぐに心地よく体になじむ。豆はケニア産ピーベリー1種類のみ。自家焙煎で深煎りに仕上げた豆をエスプレッソマシーンもしくはネルドリップで丁寧に入れる。ブラックだけではなく、ラテやマキアートなどアレンジコーヒーにしても豆の味が十分引き立つ。マスターの持論は、コーヒーは3つの味すべてで成り立っているということ。その味とは、前味がインテリアとコーヒーカップ、中味はコーヒー本来の味、そして後味は余韻として数日間続く記憶。その言葉どおり、一度行くと必ずまた行きたくなる名店だ。